家庭や仕事、経済的課題がある方にとって、通信制大学は学びの解決策のひとつです。
2022年7月現在、日本には42校の通信制大学があります。
比較的手軽に学ぶことができる通信制とはいえ、失敗したくないですよね。
この記事では、通信制大学を選ぶときのポイントや、注意点について解説しています。
通信制大学はすべて私立
通信制大学は、学校教育法による「大学通信教育設置基準」でその内容が定められています。
通信制であっても通学部の卒業学位である「学士」が与えられます。
現在日本で通信教育部を設置している大学は、43校です。
(東洋大学にも通信教育部がありますが新規募集を中止しています。)
国公立はなく、すべて私立です。(放送大学も私立大学です)
学費だけでない必要経費
大学のウェブサイトをみると、「学費」や「学納費」という項目で必要な費用の目安を確認することができます。
但し、ウェブサイトに掲載されていない費用も必要となる場合がありますので、必ず募集要項を確認しましょう。
- スクーリング費
- 大学によって、スクーリング1科目に付き¥8,000〜¥20,000ほどのスクーリング費を設定している大学や学科があります。卒業までに取得しなければならないスクーリング科目は30単位以上と法律で定められています。授業料+スクーリングの費用が必要です。
- スクーリングに必要な交通費、宿泊費は自己負担となります。
- テキスト費
- 科目によってテキストが指定されることが多々あります。大学教員の著書が指定テキストとなっている場合は、例外なく高価なので、古本を探しましょう。
- システム費
- 大学によりますが、システム費というよくわからない名目で費用を求める場合があります。
- 同じく、「学籍管理費」という名目の費用を求める大学もあります。
- 通信費
- インターネット接続費用は自己負担となります。
- ソフトウェア
- イラストやデザインを専攻する場合、ADOBE社のIllustorator(イラストレータ)や、Photoshop(フォトショップというソフトの導入が必須の場合があります。
学生の間は学割適用で¥2,187/月ですが、卒業すると¥6,480/月という天文学的費用を払い続ける必要があります。
- イラストやデザインを専攻する場合、ADOBE社のIllustorator(イラストレータ)や、Photoshop(フォトショップというソフトの導入が必須の場合があります。
スクーリング
学びを続けるためにとても重要なのがスクーリングの形態です。
スクーリングは大学での対面授業が基本です。
最近では、動画視聴やZOOMなどの遠隔会議システムでの参加が可能な大学や科目も増えてきました。
その他、大学指定のイベントなどに参加してスクーリング単位と認定する大学や科目もあります。
資格課程
教員、学芸員、社会福祉士などの資格には実習が義務付けられています。
これらの実習は遠隔や動画視聴では受講できず、必ず現地での実習参加が必要になります。
資格取得を目指す場合には、実習の形態、スケジュールを必ず確認しましょう。
こんな大学はやめておこう
たくさんある通信制大学ですが、教育体制はまちまちです。
大学一覧をみる時には、以下の点に気をつけてください。
学費が不明確
必要な費用に独自の名称を付けている大学や1年入学時の学費ではなく、2年、3年編入、しかも半期の参考学費しか掲載していない大学があります。
学費を安く見せるための、誤認を狙った広告のようにも見えます。
気をつけましょう。
所在地が不明
所在地すらよくわからない大学があります。
通信制とはいえ、学生にとっては高額の学費を払う以上、その拠点は
明らかにしてほしいものです。
募集要項を公開していない
募集要項を閲覧するにも、会員登録を求める大学があります。
申し込むまで勧誘メールが届くのは明らかです。
要項すら公開していない大学には注意しましょう。
専門学校を母体とする大学に多くみられます。
ウェブサイトの情報が古い
お知らせページをチェックしましょう。
学生向けや一般向けの情報が少なかったり、古かったりする大学は
通信教育に熱心でない可能性があります。
単位修得試験の回数や場所が少ない
単位修得試験は必ず受験しなければなりません。
受験する形態は、大きく3種類です。科目によって異なる場合もあるので、必ず募集要項をチェックしましょう。
- ウェブで自由な時間に自由な科目を受験できる
- ウェブだけど開催日程が決まっている
- 会場に出向いて受験(日時指定です)
住んでいる近くに会場があれば問題ありませんが、会場が遠い、転居の可能性がある、などの場合学習を継続することが難しくなるかもしれません。
通信制大学の一覧はこちらから
せっかくの大学進学。
いろんな情報を集めて慎重に選びましょう!